2022年10月20日に、Intelから第13世代CPU(Raptor Lake)が発売されましたが、マザーボードはハイエンドモデル(チップセット「Z790」)の製品しかなかったので、下位モデルの発売を待っていた人は多いのではないでしょうか。ようやく、2023年1月3日から下位の「H770」「B760」が登場して選択肢が広がりました。そこで、今回は、その特徴などを整理したいと思います。
Intel 600シリーズからの強化
主な強化(Z790の場合)としては、以下のとおりです。
- PCI Express Gen4が8レーンに増加
- USB 3.2(20Gbps)が4ポートから5ポートに増加
Intel 700シリーズ・チップセット比較表


まずは、単純に比較表で整理してみました。
違いは、オーバークロック出来るか・出来ないかという点と、USBなどの数がハイエンドとエントリーでは大分数が違うのでよく確認しましょう。「H610」の後継は?と思った方、今回「H610」に相当するチップセットは、700シリーズでは発表されませんでしたので、とにかく安いで選ぶなら前チップセット「H610」を選ぶことになります。
Z790 | H770 | B760 | H610 | |
---|---|---|---|---|
対応メモリ | DDR5 or DDR4 | DDR5 or DDR4 | DDR5 or DDR4 | DDR5 or DDR4 |
CPU オーバークロック | 〇 K付CPUのみ | × | × | × |
メモリ オーバークロック | 〇 | 〇 | 〇 | × |
DMI Bus | DMI4.0x8 | DMI4.0x8 | DMI4.0x4 | DMI4.0x4 |
PCIe 5.0 (CPU) | 1×16 2×8 | 1×16 2×8 | 1×16 | 1×16 |
PCIe 4.0 (CPU) | 1×4 | 1×4 | 1×4 | × |
PCIe 4.0(16G) | 20 | 16 | 10 | × |
PCIe 3.0(8G) | 8 | 8 | 4 | 8 |
USB 3.2(20G) | 5 | 2 | 2 | × |
USB 3.2(10G) | 10 | 4 | 4 | 2 |
USB 3.2(5G) | 10 | 8 | 6 | 4 |
USB 2.0 | 14 | 14 | 12 | 10 |
SATA 3.0 (6Gbps) | 8 | 8 | 4 | 4 |
RAID | 〇(0/1/5/10) | 〇(0/1/5/10) | 〇(0/1/5/10) SATAのみ | × |
Wi-Fi | IntelWi-Fi 6E AX211(Gig+) | IntelWi-Fi 6E AX211(Gig+) | IntelWi-Fi 6E AX211(Gig+) | IntelWi-Fi 6E AX211(Gig+) |
第12世代、第13世代CPUが使用可能
700番台では、CPUは12・13世代が使用可能です。第13世代はマルチで41%性能アップしているので、お金に余裕がある場合は、13世代を選択することをおすすめします。
DDR4メモリが使用可能!
前チップセットと同様に、最新メモリ「DDR5」はもちろんですが、現在普及している「DDR4」も使用できるため価格や性能などで選択肢が多くなりました。特に、DDR4メモリ対応のマザーボード(Z790以外)が多く発売されました。
注意しないといけないのが、前チップセットと同様にDDR5とDDR4の両方対応ですが、マザーボードはどちらか一方のみ対応なので購入時に注意が必要です。購入する時は、DDR5かDDR4のどちらを使用するか決めてマザーボードを検討しましょう。
安い! H770、B760の特徴
「Z790」と比較した場合、オーバークロックの可否や拡張性が削られている分、価格が安いのが一番の特長です。
- PCIeレーン数、SATAポート、USBポートの数が少ない
- CPUのオーバークロックができない
- Micro-ATXやmini-ATXなどが豊富
CPUのオーバークロックをしない方向け
オーバークロックをしない方は、Z790より安い「H770、B760」がおすすめです。
CPUは、オーバークロックが可能な「K」付きモデルが人気なので、オーバークロックをしたいという方は、CPUのオーバークロックが可能な「Z790」を選ぶようにしましょう。
どのチップセットもメモリのオーバークロックが可能!
今回のチップセットは、メモリのオーバークロックにどれも対応しているので、どのチップセットを選んでも問題ありません。
各チップセットの特長
Z790 (ハイエンド)
最上位モデルの「Z790」は、CPU・メモリ両方のオーバークロックが可能で、USBやSATAポートなどの数が一番多いのもこのモデルです。機能や拡張性で最も優れているモデルなので、全部入りで選ぶならこれで決まりです。ただし、価格は3.5万前後から8万円前半くらいと幅があり、一番高価なモデルも「Z790」ということになります。
拡張性を優先したいけど価格は押さえたい、少しでも安く組みたいけど「Z790」を選択したい方は、DDR4対応マザーを選択することにより、1万前後安くなるので、メモリの価格も含めると、DDR4版を選択するのもありかと思います。
なお、光るマザーボードを探している方は、Z790が一番光る製品が多いと思います。
H770 (アッパーミドルレンジ)
1月3日発売したH770は、ミドルレンジのモデルで、CPUのオーバークロックは必要ない、しかし、拡張性は確保したいという方向けのモデルです。Z790と比べるとやや拡張性は劣りますが、必要十分な拡張性はあるのでおすすめなモデルです。価格は、3~4万円くらいです。
B760 (ミドルレンジ)
こちらも、1月3日発売したミドルレンジのモデルです。こちらもCPUのオーバークロックは出来ないモデルで、「H770」からさらに拡張性を少し削った安価なモデルです。
B760で注意をしないといけないのが、RAIDはSATAのみ対応なので、RAIDを考えている方は注意しましょう。価格は、2.5~3.5万円前後。
H610 (エントリー)
今回のチップセットには、H610の後継となるチップセットが存在しないため、格安なマザーを選ぶ場合H610を選ぶことになります。こちらは、CPU・メモリのオーバークロックが出来ないモデルです。また、PCIe 4.0非対応・RAIDにも非対応なため、とにかく安く組みたいという方向けの最安モデルです。価格は、1.5~2万円前後とコスパは抜群です。
おすすめのマザーボード
私のおすすめは、H770かB760のマザーボードがおすすめです。
オーバークロックをしない方は、この2つのモデルで選ぶのがいいのではないでしょうか。
その中で、おすすめのマザーボードをご紹介しておきます。ただ、現状(2023/01/08時点)では、H770のマザーがかなり少ないので、B760から選ばないといけない状況です。
最新チップセット Intel「Z790」「H770」「B760」を比較!を比較!のまとめ
「Z790」は、かなり高価なマザーボードが多く、お店によっては人気製品の場合には品薄になっていたりするので、Z790以外のミドルレンジモデルで組むのがいいかもしれません。使用用途などによっては、600番台もかなり価格が下がっている製品も多くなっているので選択肢としてはありです。
ミドルレンジでは、DDR4対応製品がメインで発売されているので、DDR4を選択して少しでも安く組むのも悪くないと思います。
コメント