コロナ関連で、お店や会社が休業して休んだが、休業補償(休業手当)がまだ支払われていないので、生活が大変という方が結構いらっしゃるようで、新たな制度が新設されました。
それが、「新型コロナウイルス対応休業支援金・給付金」(以下、「休業支援・給付金」という。)です。
ここで、詳しい方なら「あれ?」って思う人がいると思います。
そうです、「雇用調整助成金」というのがあるはずでは?とお気づきの方も多いのではないでしょうか。
詳細は省きますが、雇用調整助成金は、要件に該当しさえすれば会社が申請をすることで会社が支払った休業手当に対して助成金が支払われるというものです。
じゃ、会社が申請すればいいだけではないかと思いますよね。それが、そうもいかないのが現実のようです。
そこで、新たな制度として「休業支援金・給付金」が新設されました。
ここでは、支援金の概要等についてご紹介していこうと思います。
制度を新設しなければいけなかった背景
雇用調整助成金は、会社が申請をすれば受けられる制度にもかかわらず、申請ができない・しない会社が結構あるようです。
その理由は、大きく分けて2点あると考えられます。
まず1つ目は、助成金を申請する前提として会社が休業手当を支払うことが必要という点です。
コロナの影響で、休業を余儀なくされた会社やお店は、休業手当を払いたくても払えない状況で手続きができないケースがあるようです。
休業手当を払いたくても払えない、もしくは払わないケースがあると思います。
払えないは仕方ないとして、払わないのはなぜでしょう?
ここは難しいところがあるので、ここでは割愛します。
2つ目の理由は、手続き自体が難しいや手間などの理由で、雇用調整助成金を活用しない企業が存在するようです。
せっかく、制度があるにも関わらず、会社が手続きをしないことによって、働く人が困っている現状があります。
そこで、労働者が個人で申請できる制度が新設されたということです。
概要
新型コロナウイルス感染症及びその蔓延防止の措置及び影響により休業させられた中小企業の労働者のうち、休業中に賃金(休業手当)を受けることができなかった方に対して、当該労働者の申請により、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金を支給するものです。
会社が雇用調整助成金を申請してくれないや会社自身が休業手当を支給してくれないという方は、こちらの制度を活用してみてはいかがでしょうか。
中小企業とは?
休業開始時点で、原則として、次の表「資本金の額 ・出資の総額」か「常時雇用する労働者の数」のいずれかを満たす企業が「中小事業主」に該当します 。
産業分類 | 資本金の額・出資の総額 | 常時雇用する労働者の数 |
---|---|---|
小売業 (飲食店を含む) | 5,000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
対象の労働者
事業主の指示により休業し当該休業に対して休業手当が受けられない中小事業主に雇用される労働者が対象です。
正社員ではない以下のような人も対象
・パート・アルバイト
・派遣社員
・外国人(技能実習生などを含む)
対象とならない人
・日雇労働者(ケースによっては対象となるので、相談してみましょう)
・フリーランス(個人事業主)
支援金額
支援金額=休業前の1日あたり平均賃金×80%×(各月の日数(30日または31日)-就労した又は労働者の事情で休んだ日数
※1日あたりの支給額は1日1万1000円が上限
休業前賃金とは
税金や社会保険料控除前の賃金総額をいいます。(基本給+残業代などの手当すべて)
※賞与は入りません。
休業前賃金を確認できる書類が必要
「なるべく事業主に協力していただき、賃金台帳により休業前賃金の証明を提出していただくようお願いします」(厚生労働省)としている。なお、各種控除前の金額が不明の場合、控除後の金額で給付額を算定することになるので注意が必要です。
・「賃金台帳」
・「給与明細」
・「賃金の振込通帳」
休業前賃金日額とは
原則として過去6か月のうち任意の3か月分の賃金を90で除して算定(上限1万1000円)する。「休業前賃金」は、休業を開始した月より前に支払われた賃金を指します。
例えば、4月からの休業であれば、3月以前に実際に払われた賃金。
申請方法
申請方法は、以下の2つの方法により申請が予定されています。
オンライン申請
現在、準備中のようです。
郵送での申請
郵送による申請は、7月10日(金)から受付開始されました。
決まり次第、厚生労働省HPで公表されるので注視しておきましょう。
労働者ご本人が申請する場合、記入見本(労働者申請用 初回)を確認の上、以下の書類をご提出する。
- 支給申請書
- 支給要件確認書
(労働者用)新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金 申請書の記入方法
事業主経由で申請書を提出する場合、記入見本(事業主提出用 初回)をご確認の上、以下の書類をご提出ください。
- 支給申請書
- 支給申請書(続紙)
- 支給要件確認書
上記申請書等以外に必要な書類
〇運転免許証、マイナンバーカード(表面のみ)等の本人確認書類
申請者の運転免許証、マイナンバーカード(マイナンバーの記載がない表面のみ)等申請者を確認できる書類写し。具体的には、顔写真付きの書類であれば以下に列挙する書類のうちいずれか1種類、顔写真のない書類については以下に列挙する書類のうちいずれか2種類を添付する。なお、学生証や社員は顔写真付きであっても他の書類とあわせて2種類を添付する。
【顔写真付き書類】
・運転免許証
・マイナンバーカド
・パスポート
・在留カード
・特別永住者証明書
・障害者手帳
【顔写真なし書類】
・健康保険被者証
・住民票記載事項証明書
・年金証書
・(特別)児童扶養手当証書
〇キャッシュカードや通帳の写しなどの振込先口座を確認できる書類
〇給与明細や賃金台帳の写しなどの休業前の賃金額及び休業中の賃金の支払状況を確認できる書類
申請の期限
申請の締め切りは以下の通りです。
休業した期間 | 締切日(郵送の場合は必着) |
---|---|
令和2年4月~6月 | 令和2年9月 30 日(水) |
令和2年7月 | 令和2年 10 月 31 日(土) |
令和2年8月 | 令和2年 11 月 30 日(月) |
令和2年9月 | 令和2年12 月 31 日(木) |
振込可能な金融機関リスト
注意点
労働者が事業主に申し出たにもかかわらず、事業主が休業証明を拒むようなケースが生じた場合、申請時にその旨の申告が必要。
具体的には「支給要件確認書」の事業主欄の事業主名欄に事業主の協力が得られない旨とその背景となる事情を記載する。
その場合、各都道府県労働局から事業主に対して報告を求め、事業主から回答があるまでは審査ができないようです。
したがって、ここで時間がかかってしまうと、支給までに時間を要することになってしまうことになります。
複数事業所の休業について申請可能です。ただし、申請時に複数事業所分の情報をまとめて申請する必要があります。
例えば、A事業所とB事業所の2か所で働いている方が、両事業所分を申請する場合、A事業所分とB事業所分まとめて申請をせず、1つの事業所の分を先に申請し、後からB事業所分を申請しても無効になってしまうので、注意しましょう。
なお、複数事業所申請の場合は、通常の申請書とは異なり、複数事業所用の申請用紙を使用して下さい。手続きは、郵送での手続きのみになりますので、こちらも注意が必要です。
複数事業所用の申請様式や受付開始時期は、現在準備中とのことですので、順次公表されると思います。
偽りその他故意の不正行為により新型コロナウイルス感染症対応休業支援・給付金(「支援金・給付金」という。)の支給を受けた場合には、労働者に対して、支給を受けた額加えて支給を受けた額の2倍まで(合計して、最大で支給を受けた額の3倍)の額と年3%の割合の延滞金を請求されることがあります。
また、事業主や代理人が故意に偽りの照明等によって支給されているときは、事業主又は代理人にも上記金額を請求されることがあります。
Q&A
★特に注意が必要な点 (8/5更新)
1.制度概要
2.対象労働者、対象事業主
3.対象となる休業 (8/5更新)
4.休業前賃金
5.支援金・給付金
6.雇用調整助成金との関係
7.申請方法等 (8/5更新)
8.その他
9.複数事業所分の申請
公式HPはこちら
問い合わせ先
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金コールセンター
電話番号:0120-221-276(月~金 8:30~20:00/土日祝 8:30~17:15)
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